ライド概要
ライド日: 2025年11月2日 (日)
あんまり馴染みのない神奈川の県西を走りました。
特に丹沢湖はどん詰まりで、246から行って帰ってくるしかないので行く機会がありません。
...ただしそれは正規の道の話で、林道なら東西北に抜ける道がそれぞれ1本ずつあるらしい。
- 西の水ノ木幹線林道
踏破した記事を見るとみな何故か世附林道と呼んでいますが、多分違う。OSMでの表記を見ると水ノ木幹線林道だし、神奈川県公式ページを見ても世附林道は丹沢湖畔の林道と記載されていたので、やっぱり違うはず。
水ノ木幹線林道は明神峠まで繋がる楽しそうな林道ですが、ゲートに自転車事故多発のため自転車侵入禁止と大きく明示されているので、さすがに入るのが躊躇われます。
- 北の犬越路林道、神の川林道
道志みちに抜けられる林道です。 徒歩でも滑落しそうなレベルの大崩落で、復旧見込みもなさそうなので通行不能です。2018年ごろまではギリ通れたそう。
- 東の秦野峠林道
その名の通り秦野からアプローチできる林道です。ちょくちょく崩落し、神奈川県HPの"管内林道の通行止め等のお知らせ"によく名を連ねていますが、維持管理はしっかりされているよう。今回はここを通ってみました。
県西にはあまり行かないので、ついでに近くの有名ヒルクラスポット大野山と、そこからダウンヒルする未舗装の八丁神縄林道にも足跡を残しに行きます。ちょうど秦野峠林道の山ひとつ反対側にある林道です。
【林 道 崩 壊】工期20年、総事業費25億円超。神奈川県山北町の林道はたった5年で崩れた。コンクリートで自然は制圧できるのか?
神奈川県山北町の山奥には、「八丁神縄林道」(全長約7.6キロ)という林道がある。約20年もの工期と25億3700万円の税金を費やして、2014年に開通した。しかし、開通からわずか5年後、2019年10月の台風で大きく崩れて一部区間は今も車両通行が不能のまま。
一応作ったばっかりの手前、現在までの時点で復旧はされたらしい。

秦野まで

ん?道の真ん中にスマホが落ちています。
交番まで遠いので、踏まれないよう道の脇に裏返して置いておく。許してくれ。


秦野峠林道
全長15kmほど。秦野峠とブッツェ峠という変わった名前の2箇所のピークがある。

県HPの通行止め情報が消えたタイミングで来てるので、通り抜けできるはず。

まあまあ荒れている。

若干、葉に色が付き始めていますね。落葉が多くなると落石が隠れて踏み抜くリスクが上がるので、実は今が一番良いかも。

各地で熊被害が相次いでいますが、神奈川には全体で約40頭しかいない推定なので多分大丈夫。秋田なんか今年に駆除された頭数だけでもう1000頭越えてます。

橋が多いですね。金かかってそうなのにほぼ人が通らないのはもったいない。というか俺らの税金で作ってんだから通らせろよ。

アザミ。

秦野峠に到着。

こちらは虫沢林道。秦野峠はこの林道からもアクセス可能です。

右に進みます。

崩れてる箇所がさらに多くなってきた。

ここが直前の崩落復旧区間かな?

ここも。

イワシャジン。湿った岩場に垂れ下がるように咲く綺麗な花。

2つ目のピーク。ブッツェ峠と聞いていたのに、この看板は日影山峠と言っています。

落石注意看板の箇所はもれなく落石あり。

やっと丹沢湖が見えてきた。

本当にあちこち崩れてんな。

ゴール。

丹沢湖
湖畔一周します。

橋の上から釣りしてて草 相模湖でやったら絶対怒られる

丹沢湖、飲食店が全然ない...
コンビニもないので商店で食料を入手しました。

あれ?一周できると思いきや、丹沢湖の左下はゲート付き林道なのか。予想外にも林道ライド追加です。

走りにくい...

管理されてないのか?

ここが本当の世附林道だったのか。

"ここから林道"標識初めて見た。

八丁神縄林道
丹沢湖を下って激坂ヒルクライムをすると大野山山頂にたどり着きます(画像略)

丹沢湖も下に。

大野山山頂手前の、ここが八丁神縄林道の入り口。

結構粗目の砂利なので乗車はきつい。

無理やり乗れないことはない。落石は舗装路で踏み抜くとアウトですが、未舗装路だと石が地面にめり込んでくれるのでパンクはなかなかしない気がする。

これぐらいなら大丈夫。ずっとこの程度の砂利ならいいんだけど。

じゃ、押し歩きますね...

未舗装だと一気に山の中感が増してちょっと怖い。

偶蹄目の足跡。多分シカ。

市街地はまだ遥か下。早く降りたい...

地味に距離が長くて辛い。いつになったら終わるんだこれ

やっと舗装路だ!!

😭

今度こそずっと舗装路であることを祈りながら、ダウンヒル。

ゴール!

しばらく下ると、新東名に架かる橋が建設中。名は山北天空大橋。
橋の名称は、本橋の建設地である「山北」という地名が入り山北町のランドマークとなる本橋に相応しいこと、「天 空」という部分が河内川の上空約 125m に架ける本橋の雄大な見た目を現わしていること、日本最大級のバランス ドアーチ橋である本橋の特徴を「大橋」として現わしていることから、「山北天空大橋」(やまきたてんくうおおはし)と 命名しました。

山北のデイリーヤマザキ。ちょっと寒かったのでデカい肉まんを食って帰宅です。

おまけ
秦野峠林道に落ちて散らばっていた落石の破片が、どれもやけに緑っぽかったのが気になります。
特に最近買ったミラーサングラスが赤色を反射するせいで、緑が際立って見えました。
地質図を見てみます。ちょうど林道は紫の箇所ですね。

形成時代: 新生代 新第三紀 中新世 メッシニアン期〜鮮新世
岩石: 苦鉄質片岩 低P/T型広域変成岩 緑色片岩相
やはり記録でも"緑色片岩相"と書かれている。それ以外は素人にはよくわからないので、Geminiに翻訳してもらうと:
地質図の情報を簡単に翻訳すると、以下のようになります。
1 元の岩石:「苦鉄質(くてつしつ)」
- これは「"苦"土(マグネシウム)と"鉄"に富む」という意味です。
- もともとは、海の底で噴火した**玄武岩(げんぶがん)**のような、黒っぽい火山岩だったと考えられます。
2 起きたこと:「低P/T型広域変成岩」
- これが地下深くに埋まり、プレート運動などで「比較的低い圧力と温度で、広い範囲が(広域)」「変成(性質が変わる)」しました。
3 結果:「緑色片岩相」
- 元の岩石(玄武岩)に含まれていた鉄やマグネシウムが、熱と圧力によって「変身」しました。
- その結果、その温度・圧力環境で安定な緑泥石や緑簾石といった新しい緑色の鉱物に再結晶したのです。
つまり、**「鉄とマグネシウムが豊富な黒っぽい岩石が、地下で熱と圧力を受けて、緑色の鉱物(緑泥石や緑簾石)に生まれ変わった姿」**が、あなたが見た緑色の落石(緑色片岩)の正体です。
玄武岩が低温低圧で変成した結果、緑色に見える組成に変化したということらしい。
で、なんで急に石が気になったのかといえば、キモオタクらしく今期アニメ「瑠璃の宝石」の影響です。俺のタイヤを切りつけた石も、数百万年前には地下深くで熱と圧力を受けていたという物語があることを想像すると面白いですよね。
理科の授業で無理やり石の種類を覚えさせられたときは、クソの役にも立たないし何の意味があるんだと思っていましたが。何が将来役に立つかわからないものです。